Plasma Science for
Fusion Energy

研究目的

高温プラズマの閉じ込め物理の解明と制御

無尽蔵のエネルギー源と期待される核融合発電炉を開発するためには、1億度を超える高温プラズマを効率よく生成し、閉じ込める必要があります。それには、高温プラズマの性質を理解し、制御することが必要です。特に、長時間高温プラズマを閉じ込めた時に、燃料粒子、不純物がどのような挙動を示すか、またそれを制御し得るかを明らかにすることは 、核融合炉開発の成否に関わる重要な課題です。本研究グループは、定常プラズマが生成可能なQUESTを用い、高温プラズマの物性を明らかにするための研究を展開し、かつその知見に基づいて核融合炉に適した制御法を開発するための研究を進めています。

研究内容

様々なプラズマ閉じ込め装置における実験研究を行っています。

研究の概要はこのリンクから

QUEST球状トカマク

高温プラズマ理工学研究センターにある球状トカマクQUESTでは高温プラズマを定常維持するための研究を進めています。我々のグループは、高温プラズマを安定に閉じ込めることを目指し、計測器の開発を通じてプラズマの物性の解明を進め、その知見に基づいてプラズマの閉じ込めを制御する手法の開発を進めています。

PLATOトカマク

九州大学応用力学研究所では現在小型トカマクを建設し、プラズマ内部を高精度で計測することにより、磁場閉じ込めプラズマの性質を決定づけている乱流の特性を明らかにしようとしています。

核融合科学研究所 大型ヘリカル装置(LHD)

核融合科学研究所にある大型ヘリカル装置(LHD)は1億度のプラズマを生成できる装置です。この超高温プラズマの中で起こる様々な現象を調べるための共同研究を行っています。

大学院教育(総合理工学専攻プラズマ・量子理工学メジャー,工学部融合基礎工学科高専連携プログラム)

九州大学 総合理工学府 総合理工学専攻 プラズマ・量子理工学メジャー 高温プラズマ物性制御工学研究室として、大学院教育を行っています。また、九州大学工学部融合基礎工学科の九州沖縄9高専連携プログラムにも参加しています。研究は、QUESTトカマクにおいて花田研究室、出射・池添研究室と、PLATOトカマクにおいて藤澤研究室と共同で行っています。

共同研究

他研究機関、大学、高専の方々と共同研究を実施しています。

新着情報

こちらにも写真付きで記事があります。


2023年10月21日(土)核融合エネルギー研究分野において最も重要な会議29th IAEA Fusion Energy Conference (IAEA核融合エネルギー会議)で、木下助教が優秀ポスター賞を受賞しました。
2023年7月3日(月)長谷川准教授の着任に伴い、応用力学研究所核融合力学部門プラズマ情報制御分野と総合理工学府プラズマ・量子理工学メジャー先進核融合情報制御理工学分野(研究室)が設置されました。
2023年5月27日(土)九州大学筑紫キャンパスで オープンキャンパスが開催されました。
2023年4月25日(火)PLATO用HIBPのビームラインが完成しました。
2023年4月21日(金)17:00から九州大学総合理工学専攻オンライン入試説明会が開催されます。
2023年4月11日 トカマク平衡計算コードをアップグレードしました。
2023年4月7日 工学部融合基礎工学科の九州沖縄9高専連携教育プログラムで久留米高専から1名、研究室メンバーとして加わりました。
2023年4月5日 総合理工学府の学生2名が新しいメンバーとして加わりました。
2023年4月3日 木下稔基助教が着任しました。

過去のできごと

研究室のメンバー

井戸 毅

応用力学研究所高温プラズマ理工学研究センター 教授 
総合理工学府総合理工学専攻 教授

これまで磁場閉じ込めプラズマ中の電場や密度の揺らぎを計測するための計測器の開発に携わり、それを用いて様々な輸送現象を調べてきました。高温プラズマは、核融合炉開発という実用面からも、またその複雑な振る舞いを生み出す物理の解明という学術面からも興味深い研究対象です。詳細な計測に基づき、プラズマ物理の理解を進めると同時に、核融合炉システムの中でプラズマがどのように振舞うと予想され、それをどのように制御すべきか考えていきたいと思っています。

e-mail : t.ido[at]triam.kyushu-u.ac.jp

研究者情報

長谷川 真

応用力学研究所核融合力学部門 准教授 
総合理工学府総合理工学専攻 准教授

高温プラズマの制御を行うための機器や制御手法の設計・開発、またQUEST装置という実機を用いて、それらの実装・検証を行っています。核融合炉開発へ繋げていくためのプラズマの生成・維持を行うには、数多くのセンサーを用いて位置や形状、温度や密度といった多様なパラメータを同定し、同時に数多くのアクチュエータでそれらをリアルタイムに制御していく必要があります。その因果関係は、多種多様に渡り大変複雑になると思われ、それらの総合的な理解、および制御を行っていきたいと思っています。

e-mail : hasegawa[at]triam.kyushu-u.ac.jp

研究者情報

木下 稔基

応用力学研究所高温プラズマ理工学研究センター 助教 
総合理工学府総合理工学専攻 助教

e-mail : t.kinoshita[at]triam.kyushu-u.ac.jp

研究者情報

河野 香

応用力学研究所高温プラズマ理工学研究センター 職員

東京大学の研究チームによって運用されているトムソン散乱計測システムのデータ解析、機器開発、保守などを担当しています。

吉永 小百合

応用力学研究所高温プラズマ理工学研究センター
事務補佐員

研究室の事務を担当しています。

古賀 惇雅

九州大学大学院総合理工学府プラズマ・量子理工学メジャー 修士課程2年

機械学習・強化学習を利用したリアルタイム平衡計算法を開発しています。

e-mail : t.koga[at]triam.kyushu-u.ac.jp

末継 寅英

九州大学大学院総合理工学府プラズマ・量子理工学メジャー 修士課程2年

プラズマ乱流計測のための重イオンビームプローブを開発しています。

e-mail : t.suetsugu[at]triam.kyushu-u.ac.jp

岡下 啓人

九州大学大学院総合理工学府プラズマ・量子理工学メジャー 修士課程1年

e-mail : k.okashita[at]triam.kyushu-u.ac.jp

山奥 亮汰

九州大学大学院総合理工学府プラズマ・量子理工学メジャー 修士課程1 年

e-mail : r.yamaoku[at]triam.kyushu-u.ac.jp

石橋 尚也

工学部融合基礎工学科 3年(高専連携教育プログラム)
久留米工業高等専門学校 電気電子工学科 専攻科1年

e-mail : ishibashi.naoya.100[at]s.kyushu-u.ac.jp

これまでの在籍メンバー

FAN Honrui

中国科学技術大学からの研究生
(2021年1月- 6月)
HL-2A, HL-2Mトカマク用重イオンビームプローブの設計計算を行う。現在を中国科学技術大学において実機を開発中。

河野 香

総合理工学専攻研究生
(2020年4月- 9月)
現在、高温プラズマ理工学研究センターの職員としてトムソン散乱計測等を担当。
研究生の間に行った研究は 九州大学応用力学研究所所報第158号(6–13) 2020年9月をご参照ください。

連絡先

〒816-8580 福岡県春日市春日公園6-1
九州大学応用力学研究所
高温プラズマ理工学研究センター

(e-mail) t.ido[at]triam.kyushu-u.ac.jp
(tel.) 092-583-7695
* e-mail アドレスの[at] を@に変更してください